夢が勝手にかなう脳
- 作者: 苫米地英人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/11/05
- メディア: 単行本
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概要
A次元空間を導入し,コンフォートゾーンを高く保つことで夢を実現する方法を解説している.
我々はA次元空間の写像である4次元空間に存在している.しかし,A次元空間の存在は本来の目的を知っており,そこにアクセスすることで我々は迷いなくその目的を達成する方向に動くことができるようになる.
人類愛ぐらいのスケールの目標を持つべきだし,そうすることでコンフォートゾーンは高くなる.
内容
第一章 高いゴールにリアリティを持ち,それを快感に変えよう
物理空間の成功はA空間で規定されている.そして自分の役割を理解している人は強い.それは自分で気づくものである.コンフォートゾーンを上げるには抽象度を上げる必要がある.
「自分のあるべき姿」をコンフォートゾーンに掲げる.現状とのギャップを次元を超えるぐらい大きくし,そのギャップを埋めようとすることで大きなエネルギーが生まれる.
第二章 A次元空間を「夢実現アンカー」に変えよう
4次元空間はA次元空間の写像である.抽象度が上がるとA次元の自分と会話ができるようになり,自らの役割を知ることができる.
A次元にリアリティを持たせるために以下のことを実施するとよい.
- 一つ上の抽象度で物事を認識する
- ドーパミンが流れている体感記憶をA次元に結びつける
第三章 恐怖を脳から消去し,金融資本主義の洗脳から脱出しよう
金融資本主義は洗脳である.資本主義で成功しなければ負け組として不幸になる,という恐怖心が物理空間に縛り付ける.これがアンカーとして動作している.洗脳を仕掛けているのはバイオパワーである.
恐怖はそもそも存在しない.扁桃体には本能レベルで恐怖を引き起こす神経細胞がつまっている.これを克服するには「知識」と「慣れ」が必要である.知識はそれが正しいと確信レベルでなければならない.慣れは恐怖に対して何度も挑むことである.
第四章 人生の役割がわかると日常生活がどうなるかを知ろう
やりたいことをやっていれば健康でいられる,怒りも不安もなくゴキゲンでいられる.また,お金も勝手についてくる.この状態は自身というものを凌駕して,無敵状態である.
第五章 高いゴールを強制的・自動的に設定するには
不幸感をもたらす元凶は以下の三点である.
- 他人(との比較・評価)
- 他人の自分に対する評価
- 仮想の自分(との勝負)
未来の自分が幸せであることを知り,今の自分が幸せであることを理解する.また,そもそも競争することに意味がない.
また,話をイメージで聴き,周囲を五感でとらえることも重要である.
三段論法はシリアル思考で効率が悪い.人間の脳は並列処理可能であり,カオスをパターンとして認識することができる.
最後は「夢が勝手にかなう手帳」の宣伝.
感想
食事はなんでもいいし,運動だってしなくていい.
自分自身,昔からそう言ってきて誰にも同意してもらえなかったことなので,この一文を読んだだけで苫米地信者になってもいいと思わせるほどの破壊力だった.特に酸素が毒の件はまさにその通りだと考えている.ただし,運動しない人間は心拍数が高めであるということは考慮する必要があるだろう.いずれにせよ,ヨーガは体験してみたい.
また,この本の一つの命題は金融資本主義の洗脳を解くということであるが,そのために洗脳的手法を用いているのも面白い.最初に我々の価値観を脅かす恐怖とA次元を認識する快感を提示する.さらにA次元の具体的なイメージによりそれを感じさせる.次に日常生活について具体的なエピソートを交えて言及することで,それをトリガーとしたA次元空間の喜びをアンカリングしている.最後に物理次元に引き戻されそうになったときにそれを防ぐ心構えを説き,A次元に縛り付ける.
A次元があるかどうかは知らないが,常に自分の目的を理解して,全体を俯瞰できている人間は強い.また,人間はリラックスしているときが一番冷静に物事を見ることができる.判断力も高い.だからその気持ちいい感覚をA次元にアンカーすることで常にベストな状態を保つことができる.
だから嫌なことなんてやっていないで好きなようにしたらいいということなのだろう.嫌な勉強をしても結局何も身につかないのと同じで,嫌な仕事をしていても得られるものは少ない.得られる賃金も人並みである.
逆に最も頭が働いている状態でした仕事はアウトプットも多く,完成度は高いと思われる.それは自然とお金に結びつく可能性が高い.