失敗の本質

失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

他著者情報

概要

「本質の失敗 日本軍の組織論的研究」の著者たちが新たにリーダーシップに注目して日本軍の失敗を述べた本.

目次

I リーダーシップの本質
第1章 戦場のリーダーシップ(野中郁次郎
第2章 リーダーは実践し,賢慮し,垂範せよ(野中郁次郎

II 組織とリーダーシップ
第3章 失敗の連鎖 なぜ帝国海軍は過ちを繰り返したのか(杉之尾宜生)
第4章 プロフェッショナリズムの暴走(戸部良一
第5章 「総力戦研究所」とは何だったのか(土居征夫)
第6章 「最前線」の指揮官の条件(河野仁)

III リーダー像の研究
第7章 石原莞爾 官僚型リーダーに葬り去られた不遇(山内昌之
第8章 辻政信 優秀なれど制御能わざる人材の弊害(戸部良一
第9章 山口多聞 理性と情熱のリーダーシップ(山内昌之

IV 戦史の教訓
第10章 情報敗戦 本当に「欧州ノ天地ハ複雑怪奇」だったのか(杉之尾宜生)
第11章 合理的に失敗する組織(菊澤研宗)
第12章 派閥の組織行動論(菊澤研宗)

感想

新たな知識もあるが,基本的に「本質の失敗 日本軍の組織論的研究」の焼き直しといってよい.「本質の失敗 日本軍の組織論的研究」は失敗の分析,要素の抽出,さらにはそれを今の社会に適用するという非常にねりこまれた内容となっているが,本書はそこまで深掘りされているとはいえない.


<フロネティック・リーダーの要件>

  1. 「善い」目的を作る能力
  2. 場をタイムリーにつくる能力
  3. ありのままの現実を直観する能力
  4. 直観の本質を概念化する能力
  5. 概念を実現する政治力
  6. 実践知を組織化する能力

現場感覚=2,3
大局観=1,5
判断力=4.6

参考図書等

「フランス敗れたり」,アンドレ・モーロウ