子どもを信じること
要約
「子どもが自分の思い通りに動く」「子どもが失敗しないこと」を”信じる”のではなく、「子どもが失敗しても自分で立ち上がる強さを持っている」「たとえどんなことがあれ子どもは愛するに値する存在である」ことを”信じる”。
なので、指示・命令は極力減らして優しく接し、子どもの思いに寄り添うことが重要。家は子どもにとって心が休まる場所でなければならない。アイスクリーム療法もその一つ。
内容
I 診察や面接で気が付いたこと
- すぐに変われるのは親。自分の言動を改める。
- 親の問題で子どもが不調になるケース
- 子どもの内面の幸福に目を向ける(ファンタジーも重要)
- ボーっとすること、何の役にも立たないことをすること、親にやさしく受け止めてもらって過ごすことが人生の重要な基礎になる
- 安全な環境で対人関係能力を習得する時期に単純化された勉強を詰め込むのは害
- 「見守ることができた」という成功体験
- 「学校に行けるか」「勉強がくれないか」と心配するのは不登校に対する否認
- 子どもへの謝罪は愛情を表現した言葉と同じ
- 条件を付けて物を買い与えるのは愛情ではなくて取引
- まず好きになる(生きることが好きになる)
II 親子の関係
- 別れの段階
- 誕生:物理的に分離
- 最接近期:別の存在であることの気づき
- 一次反抗期:思いの違いを意識
- 二次反抗期:価値観の違いを意識
- 近すぎる親:親子が未分離で、主語が誰なのかわからない話し方。巻き込まれているかのような表現。子どもを過小評価し、現実を加工。子どもの思いよりも、事実関係を切々と訴える。
- 遠すぎる親1:子供に親の役割を押し付ける。賞賛させる。子どもが親の気持ちに共感することを望む。
- 遠すぎる親2:体の一部、アクセサリー。子どもへの評価は自分への評価。
- 遠すぎる親は子供の話が退屈。内面に関心が向いていない。子どもは親の顔色を窺い、自分がやりたいことがわからない。
- 受容のプロセス「否認」「怒り(他罰・自罰)」「受容」
- 怒っても困っても子どもの対応力を削ぐ。親は受容すべき
- 叱ることへの依存性は薬物依存と同じ
- 親が子どもにしがみつくと、子どもが自分の欲求に罪悪感を持つ
- 離れる時こそ「いつでも見守っているよ」と見届ける
- 親の脅しは効きすぎる。楽観的に、世界を好きになるように。
- 防衛機制:自分の心を守るために無意識に問題の源を隠す
- 合理化(酸っぱい葡萄)
- 引きこもり:心のクールダウンも
- 否認
- 置き換え:困難な現実を対処しやすい別の問題にすりかえ
- 投影:自分では認めたくないものを他人の中に見出す。自他の未分化。「子供の意思」
- 抑圧:自分と相手の間にある問題として認識
- 打ち消し:成長による別れが寂しい
- 万能感:願掛け。楽観性の元。
- 攻撃者への同一化
- 準備:先回り
- 乖離:外への関心・行動への欲求のスイッチを切っている状態
- 子は親の鏡。つらかった過去を見せつけられたと思ったら、人生の先輩として子どもを支える
III 子供とのコミュニケーション
- 5W1Hを使わない、事実のやり取りではなく思いを伝え合う
- 子どもは話し始めに自分が何を話したいのかわからないことが多い
- 聞いてほしい、聞いてもらえたという体験
- 家ではくつろがせる
- 褒めるのではなく、受け入れる(褒められることしかしなくなる、誘導していないか?)
- 親を避けることは、人を避けること
- 「トラウマ返し」子どもが昔の不満を訴えるー>謝るチャンス
- 子どもはちゃんとしたいと思っている、と信じる
- 失敗したときこそ、愛情を示すチャンス
- 一時的な退行は、その時克服しそこなった課題をもう一度やり直している
- 「会えるはずがない過去の時間から、幼い頃の子どもが会いに来てくれている」
感想
自分は遠すぎる親1だと思う。