本を読む本

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)

他著者情報

概要

  • 積極的読書への4つの質問
    • 何に関する本か:点検読書
    • 何がどのように詳しく述べられているか:点検読書
    • 全体として真実か,どの部分が真実か:分析読書
    • どんな意義があるか:分析読書
  • 点検読書
    • 調査/流し読み
    • 問いかけ
      • どんな種類の本か
      • 全体として何を言おうとしているか
      • どのような構成で展開しているか
  • 分析読書
    • 第一段階=本の分類/全体の構成/部分の構成/著者の問題点
    • 第二段階=単語⇔名辞/文⇔命題/パラグラフ⇔論理/著者の解決
    • 第三段階=批判のエチケット/洗い出し

目次・ポイント

日本の読者の皆さんへ

  • 1940年初版@アメリカ.
  • 読むに価する良書を知的かつ積極的に読む方法

第一部 読書の意味
1.読書技術と積極性

  • 読書家の定義
  • 情報に溺れる理由
  • 優れた読者になるための積極的読書について
  • 情報を得るための読書/理解を深めるための読書(/娯楽のための読書)
  • 教わること/発見すること

2.読書のレベル

  • 4つのレベル=初級読書(文):小学/点検読書(構成・部分・種類):中学/分析読書(系統立てた質問):高校/シントピカル読書(主題発見・分析):大学


3.初級読書−−読書の第一レベル

  • 子供の読み方能力の成長段階は4段階=視力・聴力・認識能力/簡単な単語習得/予測・好奇心/概念消化・比較


4.点検読書−−読書の第二レベル

  • 点検読書は2タイプ=組織的な拾い読み/表面読み
  • 組織的な拾い読みは6タイプ=表題・序文/目次/索引/カバー/議論の要の章/ところどころ拾い読み(1,2パラグラフ〜1,2ページ)
  • 表面読み=とにかく読み通す.注釈無視.
  • 木を見て森を見ない愚を犯してはならない.
  • 目の固定・逆戻り=精神活動の妨げ
  • 問いかけ=どんな種類の本か/全体として何を言おうとしているか/どのような構成で展開しているか

5.意欲的な読者になるには

  • 積極的読書への4つの質問=何に関する本か/何がどのように詳しく述べられているか:点検読書/全体として真実か,どの部分が真実か/どんな意義があるか:分析読書
  • 行間に書く効能=目が覚める/考えを言語で表現/思い出すのに役立つ
  • 傍線/ヨコ線/※印/数字/余白にナンバリング/○囲み/余白書き込み・裏表紙に自分用索引


第二部 分析読書−−読書の第三レベル
6.本を分類する(第一段階=構造的,主要部分を細分化,アウトラインを掴む,何についての本か:文法)

  • 規則(1)種類と命題によって本を分類

7.本を透視する(第一段階)

  • 規則(2)全体が何に関するかを簡潔に述べる
  • 規則(3)主要な部分を関連付けて概要述べる
  • 規則(4)問題を明らかにする

8.著者と折り合いをつける(第ニ段階=解釈的,内容を解釈する:論理)

  • 規則(5)キーワード発見(単語)

9.著者の伝えたいことは何か(第ニ段階)

  • 規則(6)キーセンテンス発見(文)
  • 規則(7)論証に関するパラグラフ発見(論証)
  • 規則(8)未解決問題発見
  • 理解度のテスト(自分の経験)

10.本を正しく批判する(第三段階=批判的,語り返す,本から学ぶ方法,知識は伝達されたか,知的エチケット:修辞)

  • 規則(9)概略・解釈を終えるまで批判を控える
  • 規則(10)Not喧嘩腰
  • 規則(11)批判的な判断には根拠が必要

11.著者に賛成するか,反論するか(批判するときの注意点)

  • 規則(12)著者の不足している知識の明確化
  • 規則(13)著者の誤った知識の明確化
  • 規則(14)著者の論理性にかける点の明確化
  • 規則(15)著者の分析・説明の不完全性の明確化

12.読書の補助手段

  • 本質的読書/付帯的読書=普通経験・特殊経験/他の本(他の本)/注釈書・抜粋/参考図書(辞書)
  • 参考図書を使うのに必要な知識=意図/種類/技術/一般的か
  • 辞書を使うのに必要な言葉に関する知識=言葉は生き物/単語は品詞/単語は記号/言葉は慣習的
  • 百科事典を使うのに必要な事実に関する知識=事実とは意味のある命題/事実とは意見ではなく,真実に関する命題/事実は現実の反映/事実はある程度監修によって決まる

第三部 文学の読みかた
13.小説,戯曲,詩の読みかた

  • 伝えるものの違い:教養書=知識/文学=経験それ自体
  • べからず条項=影響力に抵抗しない/名辞・命題・論証を求めない/知識伝達の正確性を尺度に批判してはならない
  • 構造的規則=文学作品の種類を知る/作品全体の統一性を把握する/部分が全体をどのように構成しているか
  • 解釈的規則=要素と折り合いをつける/全体的な場面の結びつきを感じる/登場人物の動きについていく
  • 批判的規則=経験を十分に感得するまで批判しない/感動の原因を客観的に述べる
  • 小説は一気に読むもの
  • 物語の発端がはっきりしていなくても心配せずに読み進める
  • 四つの質問=何に関する本か/どのように述べられているか/全体・部分的に真実か/意義


第四部 読書の最終目標
14.シントピカル読書−−読書の第四レベル

  • 準備作業=文献表作成/点検読書・主題の観念明確化
  • 五段階=関連箇所を見つける/著者に折り合いをつけさせる/質問を明確にする/論点を定める/主題についての論考を分析
  • 弁証法的客観性
  • シントピコン←西欧名著全集

15.読書と精神の成長

  • 名著は永遠の課題を考える良い手引き
  • 外部からの刺激は麻薬と同じ

仕事一筋に生きてきたが,それは外側から人為的に支えられていたのである.その支えがなくなると,自分の中に精神的な貯えのない人は思考することをまったくやめ,やがて死が始まる.

日本人の読書--訳者あとがきにかえて

  • これまでの日本人の読書は求道的,人生的

参考文献等

シントピコン

その他

「書物には味わうべきものと,呑み込むべきものとがある.また,わずかだが,よくかんで消化すべきものもある」フランシス・ベーコン
習慣は第二の天性である
梗概
面目躍如
晦渋