売り方は類人猿が知っている
- 作者: ルディー和子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/12/09
- メディア: 新書
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他作者情報
国際基督教大学卒.上智大学国際部大学院経営経済修士課程終了.
エスティ・ローダーのマーケティングマネージャ→タイム・インクのダイレクト・マーケティング本部長→ウィトン・アクトン代表取締役.日本ダイレクトマーケティング学会副会長.
「マーケティングは消費者に勝てるか」「新マーケティング・コミュニケーション戦略論」「ポストモダン・マーケティング」「五感刺激のブランド戦略」
目次・ポイント
第一章 不安なホモサピエンスはモノを買わない
- 生き残るために「恐怖」「怒り」「嫌悪」という感情は作られた
- 遺伝子が生き残るためにそのように脳を形作った
- 大脳辺縁系は大脳新皮質に強力に干渉する
- 恐怖で行動を判断できない曖昧な状態が不安
- 不安なので不況で巣篭もり
- カスタマー・インサイトを得るには「精神と肉体の仕組み」について理解する必要がある
第二章 人間もサルも「得る」よりも「失う」を重く考える
- 二足歩行により直射日光を60%削減,風も受けることができるようになる(体の進化)
- 妬みは一人が突出することを抑える仕組み(心の進化)→民主主義
- 損失回避性(損失を同額の利得の2〜2.5倍大きく感じる)⇔不安
- 曖昧さ⇔不安
- 購買決定=買うことからくる快感と失うことの不快感とのバランスで決定
- 売上につながるのは安心感
- 不安をいだいているときは他者に親近感を覚える→不確実・不安定な経済状況では価格競争(弱気なメッセージ)より安心感をうち出すのが良い
第三章 金持ち父さんは貧乏父さんがとても気になる
- 給与も過去および周辺との比較で幸福度が決まる
- 多数の意見により認識が変化する.抗うと扁桃体が活発化(ネガティブ)
- 「恥」と「罪悪感」は集団での生存に必要→基準は他人の目
- ミラーニューロンにより他人の感情を読み取ることができる
- うつは集団生活に適応できない個体が自身を守るために省エネモードに入った状態
- 景気が悪いと高級品を買うことに罪悪感を覚える.購買を正当化するために価格の一部をチャリティに回すなどの方策が良い(報酬系の活性化,ドーパミン).
現代人は原人の脳を持ってユニクロのTシャツを着て歩いている
第四章 自動車の売り上げと孔雀の羽との関係
第五章 感情と記憶が長寿ブランドをつくる
- 恐怖の感情は大脳辺縁系の扁桃体に保存される
- 記憶は外部からの入力で簡単に塗り替えられる(広告であっても)
- ポジティブな感情はネガティブな感情がもたらした影響を改善する効果がある
- ポジティブな感情の方が広い視点で物事をみられる
- 強いパワーブランドは感情と記憶から作られる
- 長寿ブランドであるためには長期間市場に存在し,人の記憶に多く刻まれる必要がある
- 繰り返すことで長期記憶化される(広告で)
- 経路依存の法則(シェアをとれたのは,市場で最初によく売れたから)
「商いで大切な事は飽きないこと」
第六章 人間も進化の歴史から逃れられない